お金の判断で後悔する人の共通点|NISAは迷い、保険・住宅ローンはその日に決めていませんか
2026/10/29
最終更新:2026年10月28日(記事内の制度は2026年10月時点)
僕の信念は「60%で出す」です。完璧を待たずに始めて、やりながら直す。ただ、銀行で金融商品をご案内していたころ、あとから直せない契約があることも見てきました。お金の判断で後悔する人は、迷い方が足りないのではありません。迷う場所が逆になっていることが多いのです。
この記事は、「NISAを始めるか、ずっと迷っている」「保険や住宅ローンを、その場の勢いで決めてしまわないか不安」という、子育て中の方向けです。
結論:迷う前に「あとから戻れるか」で分ける
- お金の決めごとは、あとから戻れるものと戻りにくいものの2種類に分けられます。
- 積み立ての開始や金額の変更、固定費の見直しは戻れるもの。小さく始めて、あとで直せば大丈夫です。
- 住宅ローンや、長く払い続ける保険は戻りにくいもの。決める前に、手元の現金・毎月の返済・やめたときに戻るお金を数えます。
お金の判断で後悔する人には、どんな共通点がある?
よくあるのが、こんな順番です。
なのに、家や保険は、その日のうちに決める。
迷う時間のかけ方が、逆になっています。月に数千円の積み立ては、合わなければ止められます。一方、住宅ローンは何十年も続きますし、保険も途中でやめると、払ったお金がそのまま戻るとは限りません。
人は、損をすることを、同じ金額の得よりも重く感じやすいと言われます。だから、小さくて戻れる判断ほど「損したらどうしよう」と長く迷い、大きくて戻りにくい判断ほど、その場の説明や雰囲気で決めてしまいがちです。後悔の多くは、判断の中身より、どこで時間をかけたかで決まります。
「あとから戻れるもの」には、何がある?
積み立ての開始と、金額の変更
NISAのつみたて投資枠は、積み立てる金額をあとから変えたり、止めたりできます。売却して現金に戻すこともできます。2024年からのNISAでは、売却した分(買ったときの金額分)の非課税で持てる枠が、翌年以降にまた使えるようになりました。ただし、1年間に投資できる枠は増えません(2026年10月時点。最新は金融庁のNISA特設ウェブサイトでご確認ください)。
また、売るタイミングで値下がりしていれば、元本を下回ることはあります。「戻れる」は「損をしない」ではありません。やめる・変えるという選択肢が、いつでも残っているという意味です。
固定費の見直し
スマホのプランや、使っていないサブスクの解約も、合わなければまた戻せます。迷うより、まず1つ試してみる価値があるものです。
「戻りにくいもの」は、決める前に何を数える?
住宅ローン
住宅ローンは、返済期間が最長35年になるものが多く、いったん借りると、家計の固定費として長く続きます。借り換えや繰り上げ返済はできますが、審査や手数料がかかり、思い立ってすぐに戻せるものではありません。
決める前に数えたいのは、「借りられる額」ではなく、毎月の返済が手取りの何割になるかと、教育費がいちばん重なる年にも払えるかです。
長く払い続ける保険
保険には、申し込みのあとに契約を取り消せる「クーリング・オフ」があります。一般には、申込日か、契約内容を書いた書面を受け取った日の、遅いほうから8日以内です(もっと長く設けている保険会社もあり、医師の診査を受けた場合などは対象外になることもあります。2026年10月時点。詳しくは契約する保険会社や生命保険協会の案内でご確認ください)。
その期間を過ぎると、やめるときは「解約」になります。貯蓄の性格がある保険では、途中で解約すると、戻ってくるお金(解約返戻金)が、払った保険料の合計より少なくなることがあります。決める前に、何年目にやめたら、いくら戻るのかを表で確かめておきます。
| 分け方 | 例 | 決め方 |
|---|---|---|
| あとから戻れる | 積み立ての開始・金額の変更、固定費の見直し | 小さく始めて、あとで直す |
| 戻りにくい | 住宅ローン、長く払い続ける保険 | 決める前に数える。その日に決めない |
「今日決めてくれたら」と言われたら、どうする?
住宅や保険の話では、「今月中なら」「今日決めていただければ」と言われることがあります。それ自体が悪いわけではありません。ただ、そう言われたときほど、いったん立ち止まって、それが戻れる判断か、戻りにくい判断かを確かめてください。
戻れる判断なら、乗ってみてもいい。戻りにくい判断なら、持ち帰って数えてから決めても遅くありません。数えるのに必要な時間は、たいてい一晩で足ります。
戻りにくい判断の前に、数えておくこと
- 手元の現金は、生活費の何か月分あるか
- 毎月の支払いは、手取りの何割になるか
- 教育費がいちばん重なる年にも、払い続けられるか
- 途中でやめたら、いくら戻る(いくらかかる)か
- 家族と、その日のうちに話せたか
戻れるものは、小さく始めて、あとで直せばいい。戻りにくいものは、決める前に数える。
迷う時間は、どれも同じように使わなくていいのです。戻れるものに半年かけるより、戻りにくいものに一晩かけるほうが、後悔は減ります。
そして、手元の現金が何か月分あるかを先に知っている人ほど、戻れる判断を怖がらずに始められます。
よくある質問
- NISAは、途中でやめることができますか。
- できます。積み立ての金額を変えたり、止めたり、売却して現金に戻したりできます。2024年からのNISAでは、売却した分(買ったときの金額分)の非課税で持てる枠が、翌年以降にまた使えます。ただし、売るときに値下がりしていれば元本を下回ることがあるため、「戻れる」は「損をしない」という意味ではありません。
- 保険は、契約したあとでも取り消せますか。
- 一般には、申込日か、契約内容を書いた書面を受け取った日の遅いほうから8日以内であれば、クーリング・オフで取り消せます。期間を長く設けている保険会社や、対象外になる場合もあるため、契約する保険会社の案内で確認してください。その期間を過ぎると解約になり、払った保険料より戻るお金が少なくなることがあります。
- 住宅ローンを組むとき、何を基準に決めればいいですか。
- 借りられる額ではなく、毎月の返済が手取りの何割になるか、教育費がいちばん重なる年にも払えるかで決めるのがおすすめです。借り換えや繰り上げ返済はできますが、審査や手数料がかかるため、組む前に数えておくことが大切です。
- 迷ってなかなか決められません。どうすればいいですか。
- まず、その判断があとから戻れるものかどうかを分けてください。戻れるものなら、小さく始めて、あとで直す。戻りにくいものなら、手元の現金・毎月の支払い・やめたときに戻るお金を数えてから決める。分けるだけで、迷う時間の多くは減ります。
僕は今も、たいていのことは60%で始めて、やりながら直しています。でも、家計の中で戻りにくい判断だけは、60%では決めません。先に数えます。
あなたがいま迷っているお金の話は、あとから戻れるものですか。それとも、戻りにくいものですか。
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