東京でFP相談するなら「無料」と「有料」どちらを選ぶべきか?元銀行員FPが本音で解説
2026/04/24
最終更新:2026年7月9日(記事内の情報は2026年7月時点)
無料で相談できるのには、ワケがある。
銀行員時代、ある保険の見込み客のところへ御用聞きに行ったことがある。そう、ノルマのある商品を売るために。
相手の年齢を考えれば、いつでも引き出せる流動性のある商品のほうが良い。それは分かっていた。それでも私が提案したのは、損益分岐まで8年かかる保険だった。
相談は無料だった。でも、タダだったのは相談であって、提案は最初から売るために設計されていた。
この記事は、あの日の私のような相手に当たらないために書いています。
この記事は、東京でFP相談を検討している30〜40代で、「無料相談に惹かれるけど、なんとなく怖い」と感じている方向けです。
結論:無料FP相談と有料FP相談の違いは「サービスの質」ではなく「収益構造」です。
- 無料相談のFPは、金融機関から受け取る商品販売の手数料で収入を得ています。相談がタダなのは、提案の先に商品があるからです。
- 有料相談のFPは、相談料そのものが収入です。商品を売る必要がないぶん、提案が販売から切り離されます。
- どちらが向いているかは、あなたが「その場で断れる人」かどうかで決まります。
無料FP相談と有料FP相談は何が違うのか?
両者の違いは一点だけです。そのFPの収入が、どこから来ているか。相談の丁寧さでも、資格でも、知識量でもありません。実際、無料相談の担当者にも優秀で誠実な人はたくさんいます。私自身、銀行でその側にいました。
無料相談はなぜ無料にできるのか?
無料相談を提供する会社は、保険会社や運用会社から販売手数料(コミッション)を受け取ることで成立しています。相談者が商品を契約すると、その一部が担当者と会社の収入になる仕組みです。
これは悪ではありません。手数料型は世界中にある正当なビジネスモデルです。ただし構造上、「契約に至らない相談」は収益ゼロになります。だから担当者には、程度の差はあれ、契約に向かう力学が働きます。私にノルマがあったように。
有料相談の料金は何の対価なのか?
有料相談の料金は、「商品を売らなくても成立する提案」への対価です。相談料が収入源になることで、FPは特定の商品を推す必要から解放されます。日本FP協会の調査でも、有料相談の相場は1時間あたり5,000円〜10,000円程度が中心とされています(2026年7月時点。最新の料金は各事務所・協会サイトでご確認ください)。
数千円〜1万円は安くありません。ただ、損益分岐まで8年の商品を「合っていないと知りながら」契約した場合の損失と比べてどうか——それがこの料金の見方です。
無料FP相談が向いているのはどんな人?
- その場で断れる人。提案を持ち帰り、比較し、「今回は見送ります」を言える人にとって、無料相談は情報収集の場として十分に機能します。
- 聞きたいことが具体的に決まっている人。「この保険の保障内容だけ知りたい」など、論点を自分で絞れている人。
- 複数社を回って比較する前提の人。1社の提案を鵜呑みにしない設計が最初からできている人。
共通点は、会う前から自分の基準を持っていることです。断る勇気は性格ではなく、準備です。「即決しない」「必ず他社と比較する」「月々の上限は◯円」——これを面談の前に決めている人が、断れる人です。
有料FP相談が向いているのはどんな人?
- いい話を聞くと流されやすい自覚がある人。営業のプロを相手に、その場の意思の力で対抗するのは想像以上に難しいものです。
- 何を聞けばいいかも分からない段階の人。論点の整理そのものを手伝ってほしい場合、販売と切り離された相談のほうが安全です。
- 教育費・住宅・老後をまとめて考えたい人。商品単位ではなく家計全体の設計が必要な相談です。
ここで大事なことを一つ。「流されやすい」は弱さではありません。自分が流されやすいと知っていること自体が、すでに立派な判断力です。いい話に対して「自分は流されるから、流されない仕組みを選ぶ」——これは自分を知っている人にしかできない、素晴らしい判断です。
無料相談で失敗しないためのチェックポイントは?
無料相談を使うと決めたら、この4つを確認してください。販売側にいた人間からの実感込みのリストです。
- リスクやデメリットを語らない担当者は警戒。良い面しか言わない提案は、提案ではなくセールストークです。
- やたら同調してくる担当者も警戒。「分かります」「その通りです」が多い相手は、あなたの共感ではなく契約が欲しい場合があります。
- その場で契約しない。「今日決めていただければ」が出たら、それはあなたの利益ではなく相手の締め日の話です。
- 「この商品、あなたは何で選びましたか?」と聞いてみる。手数料構造に触れずに答えられない担当者なら、席を立って構いません。
東京でFP相談する場合の料金相場は?
東京の有料FP相談は、初回相談で5,000円〜20,000円程度、時間あたりでは5,000円〜10,000円程度が中心的な水準です(2026年7月時点の目安。事務所により異なります)。銀行や保険ショップの無料相談窓口も都内には多数あり、選択肢そのものは全国で最も豊富な地域です。
なお、当事務所(秀FP事務所・東京都千代田区 神田/秋葉原エリア)は有料相談のみで、金融商品の販売や仲介は一切行っていません。相談料以外の収入がない構造を選んでいるのは、冒頭に書いた銀行員時代の経験が理由です。
無料か有料かは、サービスの質で選ぶものではありません。あなた自身の性質で選ぶものです。
試しに、いま答えてみてください。前回、営業の提案を面と向かって断ったのはいつですか?——即答できた人は、無料相談を比較の道具として使いこなせます。思い出せなかった人は、断る必要のない場所で相談してください。
どちらを選んでも、選んだ理由を自分で言えるなら、それはもう「流された」判断ではありません。
よくある質問
- Q. FP相談には何を持っていけばいいですか?
- A. 源泉徴収票(または直近の収入が分かるもの)、家計の支出がざっくり分かるメモ、加入中の保険証券があれば十分です。完璧に揃える必要はなく、「分からないものは分からないまま」持ってきて構いません。
- Q. 相談は1回で終わりますか?
- A. 論点が絞れていれば1回で完結することもありますが、家計全体の設計は現状整理→提案→調整の2〜3回に分かれるのが一般的です。初回に全体の見通しを確認しましょう。
- Q. オンラインでの相談もできますか?
- A. 多くの事務所がオンライン相談に対応しています(当事務所も対応)。資料を画面共有できるため、対面と遜色ない相談が可能です。
- Q. まず無料相談に行ってみて、合わなければ有料に切り替えるのはアリですか?
- A. アリです。ただし順番の注意点が一つ。無料相談で提案された商品を契約する前に切り替えるのが鉄則です。契約後の解約には損失が伴う場合が多いためです。
最後に一つだけ。あの日、私の提案を受けたお客様は、断りませんでした。断れる材料を、私が渡さなかったからです。
この記事は、その材料です。——で、あなたは断れる人ですか?
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