こどもNISAはいつから?始める前に決める「お金の締め切り」|12歳の払い出し条件と親のNISAとの違い
2026/10/07
最終更新:2026年10月7日(記事内の制度の情報は2026年10月時点)
先日、娘と私立中学の学校見学に行きました。娘より先に、僕のほうが通いたくなるくらいの学校でした。帰り道に、ふと計算しました。娘が中学に入るのは、13歳になる年の春です。2027年から始まる「こどもNISA」で親がお金を引き出せるようになるのは、その年の1月から。入学金には間に合います。でも、小4から払い続ける塾代には使えません。
この記事は、こどもNISAが気になっていて「始めたほうがいいのか」「親のNISAと何が違うのか」を決めきれない、小さな子どもがいる方向けです。
結論:こどもNISAは「子どもの名前の箱」。入れる前に、そのお金の締め切りを決める
- こどもNISAは、2027年から0〜17歳もNISAのつみたて投資枠を使えるようにする制度です(年60万円・総額600万円まで)。
- 引き出せるのは、子どもが中学に入る年の1月から(その年の3月31日に12歳である年)。それより前は、家が災害で全壊したときなどを除いて引き出せません。引き出すときも、使い道は子どもの教育費か生活費に限られ、子どもの同意を書面で示す必要があります。
- だから「いつ使うお金か」が決まっていないお金や、数年以内に使うお金を入れる箱ではありません。親のNISAの枠が空いているなら、先にそちらを考えるのも一つです。
こどもNISAとは?いつから、いくらまで?
2026年度の税制改正で、NISAのつみたて投資枠の年齢の条件が見直されました。2027年から、0〜17歳の子どもも、つみたて投資枠を使えるようになります。これが「こどもNISA」と呼ばれているものです。
| 項目 | こどもNISA(0〜17歳) | 大人のNISA(18歳以上) |
|---|---|---|
| 年間の上限 | 60万円(つみたて投資枠) | つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円 |
| 非課税で持てる上限 | 600万円 | 1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで) |
| 買えるもの | 長期の積立・分散投資に向いた一定の投資信託(つみたて投資枠と同じ) | 投資信託・上場株式など |
| 引き出し | 中学に入る年の1月から、条件つきで可 | いつでも可 |
| 18歳になったら | 大人のNISAに自動的に移る(1,800万円の枠の中に入る) | |
月5万円ずつ積み立てると、1年で60万円。10年で600万円の上限に届きます。0歳から始めれば、10歳で枠がいっぱいになる計算です(運用で増えた分は含めない単純計算)。
途中で引き出せる?「12歳」の条件とは?
ここが、親のNISAといちばん違うところです。
よく「12歳から引き出せる」と言われますが、正確には「その年の3月31日に12歳である年」の1月からです。これは、子どもが中学に入る年にあたります。早生まれかどうかは関係ありません。それより前は、家が災害で全壊したときなどを除いて、引き出せません。
中学に入る年の1月以降も、次のときに限って、親が引き出せます。
つまり、親自身のための出費には使えません。中学の入学金には間に合いますが、小学生のうちに払う中学受験の塾代には使えません。
こどもNISAが向いているお金、向いていないお金は?
判断に使うのは、利回りでも、もらえる非課税の額でもありません。そのお金を、いつ使うのかです。
向いているお金
大学の入学金や一人暮らしの費用のように、使う時期が10年以上先で、子どものためと決まっているお金です。2つの理由があります。1つは、使う時期が遠いので、途中で値下がりしても戻るのを待てる時間があること。もう1つは、引き出しの条件が、その使い道とぶつからないことです。
向いていないお金
数年以内に使うお金です。中学受験の塾代はそもそも引き出せる時期より前に出ていきますし、中学の入学金も、始めたのが数年前なら値下がりしたまま締め切りが来ることがあります。使う直前に下がっていても、締め切りは待ってくれません。
もう1つは、家の手元の現金です。収入が止まったときに生活を支えるお金を子どもの名前の箱に入れると、いざというときに使えません。「生活費の何か月分を手元に置くか」を決めてから、その外側のお金で考えます。
こどもNISAを始める前のチェック
- 手元の現金は、生活費の何か月分あるか数えた
- このお金を使う時期(子どもが何歳のときか)を決めた
- その時期は、10年以上先か
- 親のNISAの枠が、まだ空いていないか確かめた
- 毎月の積立額を、家計から無理なく出せるか確かめた
親のNISAと、どちらを先に使う?
親のNISAは、いつでも引き出せます。使い道も自由です。教育費として積み立てておいて、もし家計が苦しくなったら別のことに使う、という切り替えもできます。
こどもNISAは、子どもの名前で別の枠(年60万円)が増えるのが良いところです。親の枠を使い切っている家庭や、「このお金は子どものもの」と分けておきたい家庭には、はっきり意味があります。
一方で、親の枠がまだ大きく空いているなら、自由に動かせる親のNISAから考える方が、締め切りに振り回されにくくなります。どちらが正しいかではなく、動かせる自由と、分けておく安心のどちらを取るかです。
こどもNISA、親のNISA、預金。どれも、お金を入れておく箱です。
箱を先に選ぶと、使いたいときに開かない箱が出てきます。先に決めるのは、「このお金は、子どもが何歳のときに、何に使うのか」。
締め切りが10年以上先で、子どものためと決まっているなら、こどもNISAは良い箱です。締め切りが近いお金、まだ決まっていないお金は、別の箱に置きます。
よくある質問
- こどもNISAは、いつから始まりますか。
- 2027年からです(2026年度税制改正)。0〜17歳の子どもが、NISAのつみたて投資枠を使えるようになります。口座を開く時期や手続きは、各金融機関の案内で確認してください。
- いくらまで積み立てられますか。
- 年間60万円、総額600万円までです。18歳になると大人のNISAに自動的に移り、1,800万円の枠の中に含まれます。
- 途中で引き出せますか。
- 子どもが中学に入る年の1月から(その年の3月31日に12歳である年から)引き出せます。使い道は子どもの教育費か生活費に限られ、子どもが同意したことを示す書面を添えて親が金融機関に申し出ます。それより前は、家が災害で全壊したときなどを除いて引き出せません。
- 以前のジュニアNISAとは違いますか。
- ジュニアNISAは2023年で新しい投資が終わった別の制度です。こどもNISAは、今のNISAのつみたて投資枠の年齢の条件を広げる形で始まります。
学校見学の帰り道、僕が引っかかったのは、「1月から」という数字でした。入学金には間に合う。でも、それまでの塾代には間に合わない。同じ「子どものためのお金」でも、締め切りによって入れていい箱が変わります。
あなたの家の教育費は、子どもが何歳のときに、いくら出ていきますか。箱を選ぶのは、その一行が書けてからで間に合います。
自分の家の数字で確かめたい方は、個別相談で一緒に並べることもできます。
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