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「NISA、やるべきですか?」と聞かれたら、私は商品の話をしません

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「NISA、やるべきですか?」と聞かれたら、
私は商品の話をしません。  

「NISA、やるべきですか?」と聞かれたら、私は商品の話をしません。

2026/06/17

「NISA、やった方がいいですよね?」

家計相談でいちばん多い質問のひとつです。

新NISAが始まってから、「投資といえばNISA」という空気が一気に広がりました。テレビも、SNSも、職場の同僚も、みんなNISAの話をしている。やっていないと、なんだか乗り遅れているような気がする。

その気持ち、よくわかります。

でも、私はこの質問に「やるべきです」とも「やめておきましょう」とも、すぐには答えません。意地悪をしているわけではありません。「やるべきか」という問いには、そのままでは答えようがないからです。

この記事では、元銀行員のファイナンシャルプランナーとして、「NISAをやるべきか」で迷っている方に、商品を選ぶ前に必ず決めておくべき"たった一つのこと"をお伝えします。

「投資=NISA」になっていませんか?

まず、いちばん大事なことから。

NISAは「目的」ではありません。「手段」です。

これは当たり前のことのようで、実はほとんどの人が見落としています。今の日本では「投資を始める=NISAを始める」が、ほぼイコールになってしまっている。だから多くの人が、「何のために投資するのか」を決める前に、「NISAをやるべきか」から考え始めてしまうのです。

順番が逆なのです。

たとえるなら、行き先を決めていないのに「新幹線に乗るべきですか?」と聞いているようなもの。新幹線が速くて便利なのは事実ですが、あなたがどこへ行きたいのかが決まっていなければ、乗るべきかどうかは誰にも答えられません。近所のスーパーに行くだけなら、新幹線は要りませんよね。

NISAも同じです。「何のために、いつ、いくら必要か」が決まって初めて、「NISAを使うべきか」「どう使うべきか」の答えが出ます。

あるお客様の話

少し、実際にあった相談の話をさせてください。

「NISAをやろうと思うんです」と来られた方がいました。すでにやる気は十分でネットで調べて、S&P500か全世界株(オルカン)か、つまり株式100%の商品を買おうとされていました。

私はいつも通り、こう尋ねました。

「そのお金は、何年後に使う予定ですか?」

返ってきた答えは、「7年後の、子どもの教育資金です」。

ここで、ズレが見えました。

7年後に使うお金を株式100%で運用するリスク

株式100%の投資は、長期で持てば力を発揮します。でも、短期では値動きが大きい。7年後という「使う時期」が決まっているお金を、株式100%で運用していたら…

いざ使う7年後に相場が大きく下がっているかもしれない。そうなったら、教育資金が足りなくなってしまいます。

この方は「投資=NISAで株を買うこと」だと思い込んでいたために、目的(7年後に確実に使う)と手段(値動きの大きい株式100%)ちぐはぐになっていたのです。

「やめる」のではなく「設計を変える」

そこで、こういう話をしました。「NISAを使うこと自体は、悪くないです。ただ、7年後に使うお金なら、株式100%ではなく、債券も組み合わせて、値動きの幅を抑える設計にしませんか」と。

最終的にこの方は、株式と債券を組み合わせた、変動を抑えたバランスで運用することになりました。「NISAをやるべきか」で止まっていた相談が「自分の目的に合った運用設計」に変わった瞬間でした。

あなたが最初に決めるべき「たった一つ」のこと

この話で伝えたいのは、特定の商品が良い悪いということではありません。S&P500もオルカンもそれ自体は優れた商品です。

大事なのは、順番です。

商品(NISAで何を買うか)から考えるのではなく、まず目的から考える。

  • 何のためのお金か(教育費/老後/住宅/とくに目的のない余裕資金)
  • いつ使うお金か(来年/7年後/20年後/当面使わない)
  • いくら必要か

たとえば「20年以上使わない老後資金」なら、値動きの大きい株式中心でも時間をかけて回復を待てます。でも「7年後の教育費」なら、値動きを抑える設計が要る。同じ家庭の、同じNISAでも目的が違えば中身は正反対になるのです。

「NISAをやるべきか」という問いの答えは、商品の中にはありません。あなたの「目的」の中にあります

迷ったら商品の前に目的を。

新NISAは、たしかに良い制度です。でも、制度が良いこととあなたが今すぐ株式100%で始めるべきかは別の話です。

「投資=NISA」「NISA=とりあえず人気の株を買う」という空気に流されないでください。あなたの家庭には、あなたの家庭の目的がある。その目的さえ決まれば、もう情報に振り回されることはありません。

私は、特定の金融商品を売らないファイナンシャルプランナーです。売らないからこそ「あなたにとって、その商品は今じゃない」ともはっきりお伝えできます。

追伸

私自身、銀行員だったころ、「お客様の目的」より「売る商品」が先に決まっている現場に、ずっと違和感を抱いていました。本当は逆のはずなのにと。

だから今、こうして「商品の前に、目的を」とお伝えし続けています。もしあなたが「NISAをやるべきか」で立ち止まっているなら、まずは商品ではなく、ご自身の目的を一度だけ言葉にしてみてください。それだけで、霧が晴れることがあります。

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